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【がん電話相談から】左右に別タイプ乳がん、再発しやすい? 治療は十分、心配せずに
【がん電話相談から】左右に別タイプ乳がん、再発しやすい? 治療は十分、心配せずに2024:09:09:15:51:24
https://www.sankei.com/article/20240827-22OBZQ6FNFPCHD4E7KOQ6WK6IY/
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回答 がん研有明病院補佐 乳腺センター長 乳腺内科部長
高野利実 医師
──3年前に左乳がんステージⅠと診断され、左乳房を全摘しました。ホルモン受容体陽性、HER2陰性で、乳がん再発リスクを調べる遺伝子検査「オンコタイプDX」は低スコアでした。術後はタモキシフェンによるホルモン療法を受けていましたが昨年7月、今度は右の乳房にがんが見つかりました。
「3年前の左乳がんは、ステージIでホルモン療法がよく効くタイプなので、術後はホルモン療法のみで大丈夫です。右乳がんはどのような診断でしたか」
――ホルモン受容体とHER2がどちらも陽性で、左とは違うタイプでした。がんの大きさは1・8センチ、リンパ節転移はなく、ステージIです。術前薬物療法として、抗HER2薬(分子標的治療薬)のトラスツズマブ(商品名ハーセプチン)、ペルツズマブ(同パージェタ)、抗がん剤のドセタキセルの併用療法を4コース、AC療法(抗がん剤のドキソルビシンとシクロホスファミドの併用療法)を4コース、計6カ月間、行いました。その後、右乳房を全摘。摘出した組織には、わずかに非浸潤がんがあったものの、浸潤がんは見つからず、(最初にがんがたどりつく)センチネルリンパ節生検も行いましたが、リンパ節にがん細胞はありませんでした。
「術前の薬物療法で浸潤がんが消失しているので、病理学的完全奏効(pCR)という状態だったのですね。ステージIのHER2陽性乳がんでは、トラスツズマブとパクリタキセルという軽めの治療で十分だと考えられていますが、それよりも強めの治療が選ばれ、よく効いたようです」
――術後はタモキシフェンを継続しながらトラスツズマブとペルツズマブの併用療法を受けていますが、これでよいでしょうか。→→