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【がん電話相談から】乳がん全摘、リンパ節に微小転移 術後の放射線治療は不要2024:08:19:14:09:20


回答 がん研有明病院補佐 乳腺センター長 乳腺内科部長 高野利実 医師

──昨年12月、左乳がんと診断され、今年4月に左乳房全摘術と(がんに近いリンパ節を摘出、転移を調べる)センチネルリンパ節生検を受けました。乳房の腫瘍は大きさ5ミリの浸潤性微小乳頭がんで、ホルモン受容体陽性、HER2陰性、(増殖の活発さを示す)Ki67は10%と低い値でした。1個のリンパ節に2ミリ以下の微小転移が見つかりましたが、リンパ節郭清はしていません。(再発リスクを判定する遺伝子検査)オンコタイプDXのスコアは11と低い値でした。

「術後の治療は?」

──ホルモン療法として、アロマターゼ阻害薬のアナストロゾールを服用しています。
「リンパ節に微小転移があったものの、閉経後でオンコタイプDXスコアも低かったので、化学療法は不要で、術後薬物療法はホルモン療法のみで十分です。微小乳頭がんというのは、特殊型の一つですが、治療方針は、普通の浸潤性乳管がんと同様に考えます」

──微小乳頭がんは予後が悪いのですか。

「リンパ節転移やリンパ管侵襲が多いという報告はありますが、同じリスク因子であれば予後は浸潤性乳管がんと変わらないとされています。相談者の腫瘍は穏やかな印象ですので微小乳頭がんだからと気にする必要はないと思います」

──乳房は全摘しましたが、術後の胸壁や、わきの下の放射線治療を行うべきか迷っています。→→

産経新聞 2024/08/06 09:00