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【がん電話相談から】乳がんⅠ期の手術は、乳房温存の部分切除か全摘か 再発リスクに違いはあるのか?2024:08:03:22:34:46

https://www.sankei.com/article/20240723-64SUWRU2DFL6LOPQFCCURJS5RA/


   回答 がん研有明病院補佐 乳腺センター長 乳腺外科部長 上野貴之医師

──今年3月、CT検査で右乳房に影が見られ、針生検などの結果、1.5センチのがん腫瘍1個が判明。ホルモン受容体陽性、HER2陰性で、(がん細胞増殖の活発さを示す)Ki67値は低く、組織学的グレードは1で低リスクの乳がんと診断されました。

 「医師の治療方針は?」 

──乳房の部分切除(温存)術か全摘術か、どちらを希望するかを決めてくださいと言われ、決められず迷っています。 

「結論から言いますと、治療効果はどちらも一緒です。違いがあるとすれば、温存術の場合、術後に必ず放射線治療を行うことです。部分切除と放射線照射をセットで行う治療法を『温存療法』と言います」 「部分切除でがん腫瘍の取り残しを防ぐため、術前のMRIなどの画像診断では、がんの広がりを正確に確認します。放射線治療は術後約1カ月から開始し、3~4週間、または5週間、毎日通院し照射します。その後も同じ乳房に新しいがんや再発の可能性があるため、もう片方の乳房を含めて年1回、マンモグラフィーを撮ることになります。手術でがんを取り切り、放射線をしっかり照射すれば、全摘術と治療効果は変わらず、どちらでも問題ありません」→→

産経新聞 2024/07/28 07:00