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がん治療の「標準治療」はなぜ軽視されるのか...専門家は「検定済みの教科書のようなもの」と指摘2023:08:31:11:01:31

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「標準治療」という言葉は、病院の治療担当医が好んで使うのですが、正確な意味が伝わりにくい代表的な言葉の一つでもあります。そして、がん治療を受ける患者さん側では、ネガティブな印象とともに使われることがかなり多くあります。たとえば、次のようなケースです。

●治療法に「上・中・下」があるとすれば、「中」あるいは「並」の治療法のことだろうと思ってしまう。

●固形がんのステージIVでは、抗がん剤治療では治らないことが多い。いったん腫瘍が縮小する確率が高くとも、結局、再増悪する時期が来ることが避けられず、延命にしかならない治療を「標準治療」というのは納得しがたい。もっと一発逆転の治療がどこかにあるはずだと思い込んでしまう。

●乳がん、胃がん、大腸がんなどの術後再発予防のための抗がん剤治療はきついし、後遺症も残る場合があるため、がん自体ではなく、がん治療で苦しむことを嫌がる患者さんにとっては、一律に「標準治療」として担当医が押しつけてくることに抵抗感がある。

●最近は、各がん種の「治療ガイドライン」を持ち出して治療説明する医師が多いが、そこをスタートとして、個々の患者さんの状況に合わせる必要がある。しかし、千差万別であるはずの患者さんに、ガイドラインで示された標準治療を、杓子定規に当てはめようとする弊害がときどき出てきている。これは「cookbook medicine(料理本医療)」と批判され、EBM(科学的根拠に基づく医療)を誤解した医療側に原因がある。

 以上のような事情で、「標準治療」の印象を悪くしているのは事実です。ここでは、こういった誤解を解消する説明を試みてみましょう。~~

 

Smart FLASH 2023/08/25 11:00