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直腸がんにおいて術前の免疫チェックポイント阻害薬の効果が得られる症例の抽出に成功2022:02:03:17:09:36

直腸がんにおいて術前の免疫チェックポイント阻害薬の効果が得られる症例の抽出に成功
 国立がん研究センター東病院 22/02/

■発表のポイント
  • 手術可能の進行直腸がん患者さんに対して、化学放射線療法(放射線治療と抗がん剤の併用治療)の後の手術治療が現在の標準治療(最も推奨される治療)ですが、我々は化学放射線療法のあとにニボルマブという免疫チェックポイント阻害薬注1を行い、その後に手術を行う新しい治療の有効性・安全性を評価する医師主導治験(VOLTAGE試験)を実施しました。
  • 通常の化学放射線療法のみだと完全奏効(切除した組織ですべてのがん細胞が消失した状態)は10-15%ですが、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待できないと言われているマイクロサテライト不安定注2がない(MSS)患者さんでも今回の新しい治療によって30%の患者さんで完全奏効が得られ、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待できるマイクロサテライト不安定性のある(MSI-H)患者さんでは60%の患者さんで完全奏効が得られました。
  • 手術前のがん組織を使った検査でPD-L1陽性注3(がん組織にPD-L1という物質が発現)の患者さん、制御性T細胞注4というリンパ球に対してCD8陽性Tリンパ球の割合が高い(CD8+ T-cell/eTreg比が高い)患者さんでそれぞれ、75%、78%の完全奏効が認められました。
  •   https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/gastrointestinal_oncology/index.html