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2/7 肝転移病変におけるICI耐性機序を解明
2/7 肝転移病変におけるICI耐性機序を解明2022:02:08:07:42:54
肝転移病変におけるICI耐性機序を解明
メディカルトリビューン 22/02/07
抗PD-1/PD-L1抗体による免疫療法は、さまざまながんの治療に用いられるようになった。しかし、治療効果が得られない症例も多く、その原因解明や治療効果の改善が求められている。国立がん研究センター先端医療開発センター発がん機構研究グループ細胞情報学分野の熊谷尚悟氏らは、肝転移病変における抗PD-1/PD-L1抗体への耐性機序を解明、Cancer Cell(2022年1月25日オンライン版)に報告した。
腫瘍浸潤TregにおけるPD-1高発現は、抗PD-1/PD-L1抗体に治療抵抗性
抗PD-1/PD-L1抗体によるがん免疫療法の実施には、治療効果を予測するバイオマーカーが必要となる。現在バイオマーカーとされているPD-L1発現レベルは必ずしも治療効果と相関するわけではなく、より精度の高いバイオマーカーが求められている。
熊谷氏らはこれまで、腫瘍微小環境中の制御系T細胞(Treg)においてPD-1を高発現しているとPD-1/PD-L1阻害薬に治療抵抗性を示し、リンパ球のPD-1発現比(TregのPD-1発現に対するCD8陽性T細胞のPD-1発現の比率〕が抗PD-1/PD-L1抗体の効果予測マーカーとなることを報告している(関連記事「免疫CP阻害薬の治療効果を予測するバイオマーカーを同定」)。しかし、TregがPD-1を高発現する機序は不明だった。