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12/24 がん治療における輸血 E型肝炎に注意2021:12:30:21:56:04

IASR42(12)2021 【特集】E型肝炎 2014~2021年
 厚生労働省戸山研究庁舎 国立感染症研究所 21/12/24
 感染症発生動向調査(NESID)

 2014年1月~2021年9月までにE型肝炎と届出された患者は2,770例であった(表1)。2005~2011年までは年間100例以下の報告であったが(IASR35:1-2, 2014), 2015年以降は年間200例を超え, 2018年以降は400例を超えている(図1)。
  図1 https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/2021/12/502tf01.gif
 表1. https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/2021/12/502tt01.gif
 ▼HEVのウイルス学的特徴の詳細については他項に譲るが, 輸血医療, 血液事業上で問題となるHEV感染の特徴は以下の4点である。
  ①全国で毎年10万人以上もの新規HEV感染者が発生していると推察されている。
  ②HEV感染者においては急性期に感染性のHEVが血流中に存在する。
  ③HEV感染者の多くは無症状あるいは軽症で経過する。
  ④免疫抑制状態下にある患者ではHEV感染が高率で遷延化し, 重症化する例がある。
 つまり, 無症状のHEV感染者の血液が移植患者やがん治療患者に輸血されて,慢性E型肝炎や重症E型肝炎を発症する可能性がある。このためHEVは輸血感染リスクがあるウイルスとして憂慮されている。
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/hepatitis-e-m/hepatitis-e-iasrtpc/10837-502t.html
 ※参考資料 (IASR Vol. 42 p271-272: 2021年12月号)
  https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-vol42/10847-idx502.html