大阪がんええナビ制作委員会について
2012/7/20 がん患者の就労支援を考える(障がい者雇用促進事業から)2012:08:16:16:34:13
平成24年7月20日(金)天満研修センター 既存統計資料に基づいた都道府県がん対策推進計画の見直し
大阪がんええナビ制作委員会
大阪府商工労働部 雇用推進室 雇用対策課 障がい者雇用促進グループ
森 元 一 徳
大阪がんええナビ実行委員会の森元です。現在、大阪府商工労働部 雇用推進室 雇用対策課 障がい者雇用促進グループで勤務をしております。
7月20日に「既存統計資料に基づいた都道府県がん対策推進計画の見直し」がん医療推進均てん化研修会が開催されましたのでご報告したいと思います。
国におきましては、「がん対策基本法」を制定して具体的施策を進めるため、「がん対策推進基本計画」を策定して、これまで5年間施策展開をしてきたところですが、本年6月に計画を見直しました。
内容をみると、新たに「小児がん」、「がんの教育」、「がん患者の就労を含めた社会的な問題」を取り上げており非常に注目すべきだと思っております。
しかしながら、雇用対策をしております私どもからみましたら「がん患者の就労支援」に関しては、患者・家族をにらんでとりあえず計画に盛り込もう、後は、都道府県や市町村で考えてもらったらいいのではとしか見えないのです。
そこで、今回、研修会を企画されました大阪府立成人病センターの堀総長をはじめ、津熊がん予防情報センター長、井岡企画調査課参事の皆さまからから昭和35年から障害者の雇用の促進施策をしている労働部局に近隣府県を含め来年度に「がん対策推進計画」策定の参考にするためにお声がかかったのだと思っております。
今回は、「障がい者雇用促進事業から」ということで講演をさせていただきましたが、がん対策と障がい者雇用対策は制度構築が非常に似通っているところが一番の特徴であります。
研修会で使ったパワーポイントのスライドや国の計画については、大阪ええナビのホームページでアップしていただけると思いますが、よくよく見ていただければ障がい者雇用促進事業から沢山学ぶところがあるのでないでしょうか。
少し内容に触れますと、がん対策も障がい者雇用も法律の根拠がありますが、がん対策基本法は就労についての記載はない。障害者雇用に関する法律は障がい者雇用を義務づけしており、それに反した場合は、罰則ではないが納付金の義務づけをしています。
大阪府では、大阪府障害者の雇用の促進等と就労の支援に関する条例を制定して障がい者雇用の促進を進めています。また、大阪府がん対策推進条例を制定して、がん患者・家族の就労支援を規定しています。
しかし、二つの条例とも就労支援について規定していますが、障がい者雇用においては、法律に違反した場合は、大阪府独自で制裁措置をするという規定になっている。など制度構築は似通っていますが、実は、雇用についての考え方には大きな隔たりがあるのです。
障がい者の就労については国の施策も進んでいますし、特に、大阪府は全国唯一の障がい者の雇用施策の条例を制定して障がい者雇用日本一を目指す取り組みを進めていますが、「がん患者の就労支援」は、国も都道府県もやっていませんので非常に難しい状況です。
でも、あきらめてはいけません。がん患者の方々も就労困難層でありますので、労働行政が無視することはありません、ただ、知らないだけなんです。皆さんと力を合わせてがん対策を所管している部局が積極的に労働部局と連携するよう働きかけましょう。連携できれば、びっくりするほど前進するのではないでしょうか。一歩一歩頑張りましょう。